ブッキングカーブとは

「需要予測」のための必須ツール

私が勤めていた地方のゲストハウスでは、あまり苦労なく、毎日満室相当になる施設がありました。

しかし都市部のゲストハウスにおいては、毎日満室になるということはあまりないのではないかと思います。

私が担当した九州地方のゲストハウスでも、競合のゲストハウスが多数ありましたが、月平均で稼働率85%ぐらいはコンスタントに取れていましたので、単純に稼働率を上げること自体は難しくありません。

”より良く” 稼働率を上げるためには、「どのように予約が入ってくるのか」という予約の傾向をつかむ必要があります。

そのために必須になるのが「ブッキングカーブ」です。

ブッキングカーブはこのような感じ

これは、とある1日を切り取ったブッキングカーブのサンプルです。

オレンジは個室、青は男性ドミトリー、ピンクは女性ドミトリー、緑は共用ドミトリーを表しています。119日前から集計を始め、当日に向かって予約が増減していく様子をグラフ化しています。

例えばこの日だけを見ると、個室は割と早くから埋まり始め、ドミトリーでは女性ドミトリーが先行し、共用ドミトリーは直前になって予約が入った…という予約の入り方が判ります。

予約が入ってくる勢いのことを「ブッキングペース」と言います。

上記のグラフの例であれば、個室のブッキングペースは早く、共用ドミトリーのブッキングペースは遅かった、となります。

したがって、ブッキングカーブは「ブッキングペースをグラフ化したもの」といえます。

これだけでも良いのですが、1ヶ月の予約の傾向を、より分かりやすく把握するためには、このブッキングカーブをカレンダー状に配置します。

※実際の施設様からお借りしているので、室数は伏せています。

このように、カレンダー状に配置することで、横一列を見ると1週間の傾向が、縦一列に見ると曜日ごとの傾向が見て取れます。

例えば、個室のブッキングペースは最終4日、鈍くなっていると読み取ることができるので、来年の8月の最終週の個室の価格を設定する時は、少し安くしてみよう…というように来年の予想に使ったり、価格調整の判断材料にすることができます。

このように、ブッキングカーブは、どのように予約が入ってきたのかという傾向を掴むためには必須であり、翌年の予測をして、対策を立てるためにも必須のものであるということがご理解いただけたかと思います。

ブッキングカーブだけでは不十分

予約の傾向を掴むためにブッキングカーブは必須であることは間違いないのですが、すでにプライシング(価格調整)を行っている施設においては、価格がブッキングペースに影響を与えてしまっているため、ブッキングカーブだけで需要の多寡を測ることはできませんし、過去の統計や将来の動向など、元々、ブッキングカーブだけで何かを断定することはできません。

ブッキングカーブは必須であり、強力なツールではありますが、それ単独では不十分ですので、他の情報も総合斟酌する必要があります。

例えば、価格調整の履歴はレートヒストリーなどと呼ばれますが、レートヒストリーも含め、他の情報収集に関しては、別の記事に譲りたいと思います。