レベニューマネジメントとは

最も初歩的で、最も難しい話題

「レベニューマネジメントとは何か」、換言すると「レベニューマネジメントの定義」となりますが、私は、レベニューマネジメントとは何かを理解することは、最も初歩的かつ最も難しいことだと思っています。

まずは、インターネット上で、いくつか定義と思われるものを拾ってみたいと思います。

レベニューマネジメント(Revenue Management)とは、在庫の繰り越しができないビジネスにおいて、需要を予測して売上高(レベニュー)の最大化を目ざした販売の管理方法である。

https://www.jagat.or.jp/archives/48285

在庫を翌日に繰り越せないビジネスにおいて、需要を予測して収入(レベニュー)の最大化を目ざし、適切な販売管理を行うこと。イールドマネジメントyield managementともいう。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-1701087

「レベニューマネジメント(収益管理)」とは、需要を予測して収益の最適化を図るための仕組みです。

https://www.comture.com/bigdata/bigdata-rms.html

レベニューマネジメントとは『適切なイールドを、適切なお客様に、適切な料金で、適切
な時期に販売し、限界のあるキャパシティ内で最大限の収益をもたらすこと』

https://www.jec-jp.org/school/h_wakabayashi.pdf#search=’%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88′

いかがでしょうか。

だいたい同じようなことを言っているように見えますが、細かな点で違いがみられます。

例えば、「レベニュー」の翻訳が、「売上高」「収入」「収益」と微妙に異なっています。

また、レベニューの「最大化」なのか「最適化」なのかも、厳密には意味が異なってくるはずです。

インターネット上には、レベニューマネジメントの手法を詳細に解説している記事も多く見かけますが、肝心の「レベニューマネジメントとは何か」という問いに正面から答えられているものは、意外と少ないと感じています。

細かいことを、おろそかにしてはいけない

上記のことを総合して考えると、要するに、

レベニューマネジメントとは、需要を予測して、部屋の在庫と価格を、適切に管理することで、宿の利益を増やす方法だ

という認識に落ち着いてしまうと思いますが、私は、これは不十分であると考えています。

なぜ不十分なのかを述べたいと思います。

定義というものは、得てして抽象的になってしまいますが、その物事を、過不足なく適切に言い表したものです。

レベニューマネジメントの定義が適切であればあるほど、それぞれの宿で行なっている施策が、レベニューマネジメントに合致しているかどうかの判断基準になります。

「レベニューマネジメントとは何か」という答えのない問いに対し、真剣に正面から考えなければ、正しいレベニューマネジメントは実施できないと思います。

(株)亜欧堂が提唱する定義が最も適切である

ホテルマネジメントをサポートしている(株)亜欧堂(あおうどう)という企業があり、Webサイトで公開されているレベニューマネジメントの定義が、現時点において、また、ホテル業界において、最も適切な定義だと思います。

「需要予測を基に 販売を制限する事で 収益の拡大を目指す 体系的な手法」

http://aoudo.jp/blog/?p=141

上記リンクに詳細な説明が書かれていますが、より重要なこととしては、

「販売の制限」の中には、在庫・価格管理の他にも、部屋の開け閉めや泊数制限なども含まれていること。

そして、その販売の制限の基になっているのが「需要予測」であること。

昨今、正規料金が廃止されている流れを受け、収益の「最大化」ではなく、「拡大」という表現が使われていること。

また「体系的でなければならず属人化してはいけない」という、手法の制限にまで言及していること。

以上の要素を鑑みると、いかにレベニューマネジメントの定義に正面から挑戦し、過不足なく表現されていると、その努力を伺い知ることができる気がします。

「ゲストハウス」においては微妙に異なる

(株)亜欧堂の定義は、上記で述べた通り、「ホテル業界においては」最も適切な定義であると思います。

しかし、私はゲストハウスにおいては、必ずしもこの定義が当てはまらないと思います。

「収益の拡大」という部分です。

個人的なイメージですが、より「企業感」の強いホテル業界においては、「収益の拡大」というのは基本的に肯定されると思っていますが、ゲストハウスにおいてはホテルよりも「人と人との交流」という点に重きが置かれる傾向にあると思っており、収益の拡大を目的にするというのは、ゲストハウスの空気感には、どちらかというと合わないと思います。

ゲストハウスでは、「人間味」というような点で、独特の魅力を持った施設が数多くあり、収益に関しても、その施設それぞれに合ったものであるべきだと思います。

したがって、「収益の拡大」という部分は、ことゲストハウスにおいては、「収益の最適化」という言葉に置き換えるのが、より適切だと思います。

ゲストハウスにおけるレベニューマネジメントとは

需要予測を基に 販売を制限することで 収益の最適化を目指す 体系的な手法

ということになるかと思います。

(株)亜欧堂さまの定義があまりにも優れていると思うため、ほとんど拝借してしまいましたが、このサイトにおいては、上記の定義をもとに、様々なことに関して論じていきたいと思います。